MOONLIGHT
「あのね、そのセックス観、って何なの?そんなもの、今までの瀬野将のセックス歴だけの話でしょ?私、今まで瀬野将が元カノとしたセックスの仕方なんて全く興味ないから・・・あのね、今、これから瀬野将とセックスをするのは誰?」
「・・・レイだけだ。」
「なら。私とのセックスだけを考えればいいのよ。私も限界って言ったでしょ?早く、瀬野将にふれたくて仕方なかったの。大体32にもなって、カマトトぶった女なんて、気持ち悪いだけじゃない?」
そう言って一度言葉を切ると、私は瀬野将の腕の中から起き上がった。
そして、言葉を続ける。
「ねぇ、一番大切なのは、勝ったとか負けたとかよりも、感じたかどうかでしょ?私はサイコーに感じたけど。瀬野将は、どうだったの?」
ひとりベッドを下りて、どうしても我慢できなくなった私は、タバコを咥え火をつけた。
咥えタバコで、ベッドの瀬野将をふりかえる。
その途端、瀬野将が甘いため息をついた。
「…もう、あり得ないくらい、サイコーだった。てゆうか・・・もう、もう、俺。レイ以外抱けないと思う……って、何なんだよ。裸に、堂々と咥えタバコって。滅茶苦茶格好イイんだけど…。」
ぷ。
拗ねたような、甘える目の瀬野将。
すごく可愛い。
思わずそばへ行って、髪を撫でた。
目を閉じで、気持ちよさそうな顔をする。
ふふ。
弁慶もこういう顔するな……。
って。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「瀬野将!!大変!!こんなことしている場合じゃない!!弁慶はっ!?」
私の言葉に、瀬野将が飛び起きた。
私たちが愛の確認をしていた長時間、バルコニーに置き去りにされていた弁慶は、慌てて迎えに行った瀬野将を無視して、寝室に入ってきた。
その、歩き方は、一目でわかるほど怒っていた。
さすがにマズイと私も思って、弁慶にごめんね?というと、弁慶は私の膝に飛び乗ってきて、甘えだした。
その様子をみて、瀬野将が何だよっ、俺との態度が違うだろ、って言ったから、愛情の差だと言ってやった。
すると。
「そんな筈はない!」
そう言って瀬野将は、私の膝の上の弁慶の頭を撫でた。
が。
「ヴゥーーーー(怒)、ワンッ(激怒)!!!」
凄い勢いで、瀬野将はキレられた。
瀬野将のもう一つの愛情の確認は失敗に終わった(笑)