ハジケロ!!
「あ〜、水戸黄門は毎週録画、あ〜、でも毎回録れてないぞよ、ばあさんや〜、
年金が入ってこないぞ、ばあさんや〜
わしは、ゴールドよりシルバーじゃあ〜
間違っとりゃせんかい、小森さん。
わしのプルプル今千回、杖を回してただ旋回。そろそろあの世で嗚呼仙界〜
あ〜ぁ、あ〜ぁ、
アソコゴールドぉ〜!!」
金造じいちゃんは、杖を振り回し、よろけながらもポーズを決めた。
「さぁ、次は君だ!悲しみブルー!!」
小森のオッサン含め、皆が俺を見る。
し、仕方ない…。
やらなきゃ、帰れそうもない。
「え〜と、盆栽大好き俺ツトム。
昨夜も睡眠削って盆栽さぁ〜、今日は朝から何故だか具合が悪い〜、病院行ったら、仮病と診断、死の宣告ぅ。
人生終わりさ、
か、悲しみブルー!!」
決まった。
寂し過ぎる程に…
「ミュージック止めぃ!!」
小森のオッサンが叫んだ。
音楽が公園から消える。
「君は仮病かね?悲しみブルー!?」
「あ、あぁ。仮病だけど…」
「かぁ〜、何てこった!まさか、私のサーチアイに曇りが差すとは…!!
君には我が隊に、入隊する資格はないっ!!今すぐ帰りたまえっ!!
偽りグリーンよ!!」
俺は願ってもなかったが、それでもそう言われると何だか寂しかった。
俺は無言で公園を後にした。