ハジケロ!!
弁当の筈なのに、なぜ皿洗いなのか…
汚れた食器があるとでもいうのだろうか?
私はキッチンに目をやった。
すると、確かに汚れた食器が乱雑に積み上げられていた。
「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ…」
一枚一枚数えたところ四枚あった。
残飯として、パスタの麺が捨てられているのを見る限り、
どうやら家族の中では私だけが、メニューが違うようだ。
私は椅子に腰掛け、から揚げ弁当300円を美味しく頂いた。
塩味がとても利いている。何だか少し、しょっぱい程に…
…後で、"切ない"という言葉の意味を辞書で調べてみることにしよう。
勿論、皿洗いと風呂掃除の後にだ。
申し遅れた。私の趣味を話していなかったな。
趣味は読書。
もちろん少年ジャンプだ。
昔、結婚する前に妻の栄子が、こんな事を言っていた。
“大人になっても、少年の心を忘れない男性が好き”
私は、それを忠実に守っている。
その為に、私にとって少年ジャンプは欠かせない存在なのだ。
左手に辞書、
右手に少年ジャンプ。
そして、顎に蓄えた立派な髭。
これさえあれば、私はダンディズムを全うする事ができる。
そう、早阪総一郎42歳。私の夢は、
偉人、板垣退助のような自由を愛するダンディーになる事なのだ。