ハジケロ!!
私の書斎には本がたくさんひしめき合っている。
勿論、少年マンガがズラリと。
右から、
ダイの大冒険、スラムダンク、ドラゴンボール…数え上げればキリがない。
それ程、私は少年マンガを…
コンコン。
「アンタ、ご飯よ」
妻の栄子の声。
まるで、これから通夜にでも行くかのような低い声で私を呼ぶ。
私は読みかけのマンガにしおりを挟んで、一階へと降りた―、
食卓のテーブルを囲むようにして、4人が座っている。
私の家族は4人家族なのだが、半年程前から、金髪の青年が娘の直子に寄生している。
…とはいえ、愛しい娘が選んだ男子だ。
私もそろそろ認めようじゃないか。
…その為にも、唯一家族が一同に会すこの夕食の時間を利用して、
直子に聞いてみる事にしよう。
勿論、金髪の青年についてだ。
私は、音を立てないように静かに椅子に腰掛けた。
私の座ったテーブルの上には、チキン南蛮(特価300円)が置かれていた。
不思議に思い、私は他の4人が食べている物を見た。
オムライスを食べている。
私は妻の栄子の顔を見た。
栄子は黙々とオムライスを食べている。
「栄子、何か嫌な事でもあったのか?」
「…別に」
「何か私に言いたい事でもあるんじゃないのか?」
「特にないです」
特にないそうで、私を見る事もせず、黙々とオムライスを食べている。
「ごちそうさま」
そう言って、娘の直子が席を立った。