ハジケロ!!

クラッ…

席を立った瞬間、思わず立ち眩みがした。

…やっぱり何か具合が悪いな…


いくら昨夜の晩、遅くまで盆栽の手入れをして、一時間しか寝てないとはいえ、立ち眩みするなんて…


これは、何か重大な病かもしれない…!!

念入りに体の隅々まで診てもらおう。

なんて最悪の事態を頭に過ぎらせながらも、
青木サヤカ似の看護婦さんが(何してんのよっっ!!)みたいな顔してキレていたので、身震いをしながら早足で診察室へと向かった。


――――。



「仮病ですね」


「はっ!?」


「…ですから、どこも悪いとこはありませんし、至って健康体です。なので心の病からくる仮病ですね」


俺の向かいに座る医者が、微笑むようにそう告げる。


…何だ?何を言ってるんだ?このヤブ医者は…


大体、その七三分けでもない六四分けみたいな中途半端な分目は何だ?


あぁ…イライラする
ちゃんと診察したのか…!?…そんな仰々しいワケの分からない病名言いやがって…


「…仮病って治らないんですか?」


そう尋ねる俺に対し、ヤブは困ったような顔をして、こう言った。
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