ハジケロ!!
「…う〜ん。現代医学では仮病を治す薬はありません。ですから言うなれば不治の病ですかね」
「…不治の病っ!?それって死ぬって事ですか!?」
するとヤブは今度は笑いながらこう言う。
「ハッハッハ。面白い方ですね。まぁ、そうですね。治らなければ、仕事ができず、ご飯を食べられないって事になると死ぬかもしれませんね。ハッハッハ。」
…な、何だ!?このスーパーヤブ医者は?…人に死の宣告しといて面白いだって!?
「あの…後どれぐらい生きられますか?」
泣きそうでかつ神妙な面持ちで尋ねる俺を見た六四分けは、今度は爆笑しだした。
…後ろの看護婦なんか大爆笑で鼻水を垂らす程だ…
「もういいです!帰ります!」
そう言ってバンッと立ち上がると、立ち眩みがした。
その場を立ち去ろうとする俺をヤブが呼び止めた。
「あぁ〜一応、薬出しときましょうか?…オロナミンCですが…ぷっ」
最後は冗談まで言い出す始末。オロナミンCで不治の病が治んのかよっ!
俺は走って、病院を飛び出した―。
―途中、青木サヤカが「診察料を…」と俺の腕を掴んだが、振り解いて病院を後にした。