ハジケロ!!

病院を出ると世界が違って見えた。

遠目に映る、待合室にいる患者共がどいつもこいつも平和ボケして見える。

どうせ、おまえら風邪か何かだろ?


…こっちはなぁ、仮病っていう不治の病なんだぞ!


そう思うと不意に涙がでてきた。

…ぁあ、俺の人生短かかったな。

…もう少し、生きたかったよ…




「お兄ちゃん、大丈夫?どこかイタいの?」


俺の頬を伝う涙を見て、病院の駐車場にいた、幼い女の子が声をかけてきた。


「ヤヤもねぇ、風邪なの」


ケホンケホンと咳をしながら純粋なまぁるい瞳で見上げる。


「あぁ、お兄ちゃんは大丈夫だよ。早く良くなるといいね」


そう言って、女の子の頭を撫でると、その場を後にした。



少し歩くと、にわかにポツリポツリと小雨が降ってきて、まるで今の心を表すかのようだった。


はぁあ〜


…ダリィな
体が凄ぇ気だるい…


「いいっ!非常にいいよ、君っ!!」


突然、少し野太い声が後ろから聞こえたかと思うと、いきなりポンと肩を叩かれた…。
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