ハジケロ!!
「金造じいちゃん、アナタは、"年金ゴールド、だけど儂はシルバーよ"だ!忘れては駄目ですぞ!」
小森のオッサンは、金造と呼ばれるじいちゃんにそう告げた。
「あ〜、そうじゃったかいのぉ…、どうも忘れっぽくてのぉ…」
金造じいちゃんは、そう言って、プルプルと、一秒間に30回も振動してるぐらい にプルプルとしながら、ゆっくりと俺に近づく。
「あ〜、新入りさん、よ、よ、よろしゅう頼んますぅ〜。まんじゅう食うかの?」
金造さんは、ジンベイ姿をしていた。
そして、懐からまんじゅうを取り出した。
まんじゅうは潰れていて、アンコがはみ出している。
「金じいちゃん、おまんじゅうはいいから、自己紹介して」
先ほど真紀子と名乗った三十路っぽい女性が金造じいちゃんに言った。
「あ〜、美味しいのにのぅ、ほんにのぅ〜」
もう、俺は帰りたかった。帰って盆栽の手入れをしたかった。でも、他の三人が俺を囲んでいて、逃げられそうもない。
「新入りさん、わしぁの、あ〜、年金シルバーの金造での、あ〜、何じゃっけ?あ〜、アソコがゴールドじゃ。そしてアンコはブラックじゃ。美味しいでよぅ〜」
俺は帰りたかった。
とても帰りたかった。