わたしの中の 私
Ⅰ 戸惑い
カーテンの隙間から、細い筋となって日の光が射し込んでいた。窓の外から小鳥のさえずりが聞こえる。
優葉のまぶたが微かに揺れ、ゆっくりと目が開く。
「うぅーん」
上体を起こして、大きく伸びをした。
ベッドから起き上がると、すぐに洗面所に向かった。
優葉は洗顔し、鏡に映る自分の姿を見ると、寝癖で髪が乱れていたので、すぐに直す。
そのあとメイクをして、身支度を済ませた。
「できた」
寝室に戻ると、矢嶋は規則正しい寝息を立ていた。
熟睡しているみたいで、優葉が見ていることは気づいてない様子だ。
「うふふ」
無防備な矢嶋の寝顔が子供ぽくて、優葉は笑みを浮かべた。つい見とれてしまう。
矢嶋はまぶたの閉じていても、端整な顔立ちには変わらない。
優葉はベッドサイドに膝立ちをする。起こさないように静かに。
矢嶋に顔を近づけて、肩を軽く叩いた。
「矢嶋さん、起きてください。もう時間ですよ……きゃっ!」
矢嶋が気だるそうにまぶたが開いた。
「きゃっ!」
優葉はぐらりとバランスを崩してしまう。矢嶋が長い腕を伸ばし、優葉を自分の方へと引き寄せたからだ。反動でシーツの海に沈んでしまう。
「あっ……」
無防備な優葉を見下ろして微笑んだ。
「ふぅ、ん……」
矢嶋は不意打ちにキスをする顔を近づけて、唇に軽くキスをした。
「化粧したばっか、なのに……。また、口紅を塗り直さないとダメじゃないですか」
優葉は唇を尖らせ、拗ねた素振りをしてみせる。恋動揺を悟られたくなかったから。
「またすればいいだけじゃないの? もう少しこうやってしていたいから、一緒にいよう。」
そう言いながら、矢嶋は耳元で囁いた。
低く、身体に響くような声に、優葉はドキドキしてしまう。
「だから、ダメーー」
矢嶋にまたキスをされてしまう。ついばむような軽いキスが、しだいに激しくなっていき、深くものへと変わっていく。
ーー流されちゃだめ……。
わかっていても、拒絶することができない。
不意にスマートフォンのアラーム音が、部屋に鳴り響く。
矢嶋の手が放れる。矢嶋は身体を起こした。
「もう時間か」
なにごともなかったように言うと、、スマートフォンの画面をタップし、アラーム音を消した。
「早くしなきゃ」
そう言いつつ、もう少し一緒にいたいのが本心だ。
優葉のまぶたが微かに揺れ、ゆっくりと目が開く。
「うぅーん」
上体を起こして、大きく伸びをした。
ベッドから起き上がると、すぐに洗面所に向かった。
優葉は洗顔し、鏡に映る自分の姿を見ると、寝癖で髪が乱れていたので、すぐに直す。
そのあとメイクをして、身支度を済ませた。
「できた」
寝室に戻ると、矢嶋は規則正しい寝息を立ていた。
熟睡しているみたいで、優葉が見ていることは気づいてない様子だ。
「うふふ」
無防備な矢嶋の寝顔が子供ぽくて、優葉は笑みを浮かべた。つい見とれてしまう。
矢嶋はまぶたの閉じていても、端整な顔立ちには変わらない。
優葉はベッドサイドに膝立ちをする。起こさないように静かに。
矢嶋に顔を近づけて、肩を軽く叩いた。
「矢嶋さん、起きてください。もう時間ですよ……きゃっ!」
矢嶋が気だるそうにまぶたが開いた。
「きゃっ!」
優葉はぐらりとバランスを崩してしまう。矢嶋が長い腕を伸ばし、優葉を自分の方へと引き寄せたからだ。反動でシーツの海に沈んでしまう。
「あっ……」
無防備な優葉を見下ろして微笑んだ。
「ふぅ、ん……」
矢嶋は不意打ちにキスをする顔を近づけて、唇に軽くキスをした。
「化粧したばっか、なのに……。また、口紅を塗り直さないとダメじゃないですか」
優葉は唇を尖らせ、拗ねた素振りをしてみせる。恋動揺を悟られたくなかったから。
「またすればいいだけじゃないの? もう少しこうやってしていたいから、一緒にいよう。」
そう言いながら、矢嶋は耳元で囁いた。
低く、身体に響くような声に、優葉はドキドキしてしまう。
「だから、ダメーー」
矢嶋にまたキスをされてしまう。ついばむような軽いキスが、しだいに激しくなっていき、深くものへと変わっていく。
ーー流されちゃだめ……。
わかっていても、拒絶することができない。
不意にスマートフォンのアラーム音が、部屋に鳴り響く。
矢嶋の手が放れる。矢嶋は身体を起こした。
「もう時間か」
なにごともなかったように言うと、、スマートフォンの画面をタップし、アラーム音を消した。
「早くしなきゃ」
そう言いつつ、もう少し一緒にいたいのが本心だ。