わたしの中の 私
その後自分のデスクに戻ろうとして私は廊下を歩いていると、急に誰かが私の手を引っ張られる。


「ぶ……部長!?」


そこにいたのは、矢嶋部長だった。


「他の人に見られたらどうするんですか?」


私は首を大きく左右に振り、周囲の状況を確認した。


「問題ない。」


部長は、迷いもないような口ぶりで話す。

一方私といえば、あきらかに挙動不審であるということは、一目瞭然。

部長の顔は見ることなく、周囲ばかりを気にしていた。

すると部長はいきなり私の腕を引っ張るようにして、すぐそばの資料室へ無理矢理押し込む。
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