わたしの中の 私

３ヶ月前にさかのぼる……。


「一緒に働いている会社の子のことが好きになった
ごめん……別れて欲しいんだ」

優葉は大学の時から付き合っていた同級生の恋人に、突然別れを告げられる。

スマートフォンから聞こえるノイズ音混じりの声が、やけに耳元で響く。

恋人から、プロポーズの言葉を告げられたわけではなかったが、漠然と結婚するものだと思っていたが、幻想にすぎなかったのだ。

就職したばかりの頃は恋人を頻繁にデートを重ねていた。しかし徐々に会う回数が減っていき、ことあるごとに、仕事や飲み会など理由をつけて断ることが多くなっていく。