わたしの中の　私
私はゆっくりと扉を開いた。


「……入って下さい。」


会いたくなかった部長を部屋へ招き入れる。


「今日、早退したらしいが大丈夫か？」


部長は私の顔を覗きこんだ。


泣き続けていた私の顔は、絶対腫れ上がっているに違いない。

部長に見られたくなくて、うつむき部長と目を合わさなかった。

「……は……い……大丈夫で、す。」


部長はいきなり私のあごをもち上げ、否応なしに部長の目線に合わせさせられた。


「優葉、おまえ、目が赤いぞ。
何かあったのか？」


「……何でもありません。
体の調子がちょっと悪いだけです。」


すぐに部長から視線を反らした。


「何でもないって……何でもないことないだろう。
そんな顔をして。」


部長は心配そうな表情をし、ジッと私を見た。
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