わたしの中の 私
ジュエリーショップをあとにして、その足で私の実家に部長の車で向かい夕方には到着した。

自分の実家にも関わらず、玄関先立った私は緊張感で全身汗がふきだしていた。

部長を覗き見ると、冷静な表情のままであった。


「……緊張はしないんですか?」


「……してないというと嘘かもしれないな。
優葉との結婚を絶対に認めてほしいし、やましいことはなにもしてないから、優葉のご両親に誠意をもってお話したい。」


部長はつないだ手に力がはいった。

実家にはいるとリビングへ向かう。

テーブルをはさみ、両親と私。私の隣に部長。

正座をした部長は膝で拳をつくっていた。


「結婚させて下さい。」


部長の言葉に父と母は見つめあった。


「娘をよろしくお願いします。」


あっさり両親は認めてくれた。

その後夕食の席で部長と父は意気投合し、お酒を酌み交わして雑談をしていた。

こんなにあっさり了承してもらえるとは思わなかった。

緊張で朝から喉も通らなかったが、一気に緊張感がとけお腹が空いてきたので、久しぶりに食べる母の食事をお腹いっぱい食べた。
< 48 / 66 >

この作品をシェア

pagetop