わたしの中の　私
負の言葉ばかりを考えていた。

スマホを手にしては、液晶画面をタッチしていたり、消えた真っ暗な画面をながめたりした。

スマホを握りしめたまま簡素な作りのベッドに仰向けになり天井を眺めていた。

……日が昇り始めていた。

結局一睡もすることなく、朝を迎えていた。

黒いモヤモヤとした塊を胸に抱えたまま、重い足取りで出勤する。

私の変化にいち早く気付いた佐藤主任が、眉間にしわを寄せながら駆け寄ってきた。


「……どうしたの？
何かあったの？」


佐藤主任は、サバサバとした性格のお姉さん的存在。

信頼も厚く、噂話もしない。

そして、口も固く信頼できる存在。


「お昼に聞いて下さい。」


佐藤主任と仲良くコンビニでお昼ご飯を購入。

その後、屋上へ行く。

私は、昨日の出来事を涙目になりながら聞いてもらう。

話を続けていると、虚しさと空虚感が波のように押し寄せ余計に辛くなる。

気づけば涙の滴が頬を伝っていた。


「絶対優葉は悪くないよ！
だって、優葉はいい子だもん。
いつか男の方が優葉を振ったことを後悔するよ。」


佐藤主任は私の肩をポンポンと軽く叩く慰めてくれた。


「……そっ、そうだ。今日、パーと飲みに行こうよ。」


きっと私は家に帰り一人になると、今までの彼と過ごしたことや昨日告げられた別れの言葉、そんなことばかり考えながら過ごすことは、目に見えて自分でも理解していたので、迷うことなく佐藤主任の誘いを受けることにした……。
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