わたしの中の 私
部長と向かい合う格好となってしまい、彼の顔が真正面にあった。

近すぎる距離に、私の心臓が高速で動き視点が定まらなかった。

おまけに、眩しいくらいの部屋の明かりで部長の姿がはっきりと見えた。


「優葉、ちゃんとこっちを向いて。」


それでも私は、視線を合わすことをためらいそらしていた。

そんな私の耳元で


「今さら、何を恥ずかしがってるんだよ。」


トーンの低い、でも心地良い甘い声で、私の耳元でささやいた。

そして耳たぶを甘噛みし、舌をそわしながら舐めた。

そこから全身へと電流が流れるような刺激が伝った。

私は刺激でピクリと身体を小刻みに震わせた。


「優葉のその顔、たまんないよ。」


部長は貪るようなキスのあらしで、私をほんろうした。


二人の欲望が絡み合う……。


私は部長に身をまかせた。







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