わたしの中の 私
部長は車の中で、生まれ育った場所や、学生時代の部活の話、会話が途切れることなく、話してくれた。


1時間くらい過ぎた頃、

「着いた。ここだ。」


一軒の大きな家の駐車場スペースに車を止めた。

家は閑静な住宅街にあり、ひときわ大きな日本家屋の立派な建物が建っていた。


「突っ立ってないで、入って。」


助手席から降りた私は、予想以上の大きな家に圧倒されていた。

それに極度の緊張感から、身体が硬直してしまい立ち止まっていた。

そんな私を部長は手をつなぎ引っ張った。


「優葉、本当緊張しているんだな。
手に汗かいてるぞ。」

部長は肩を上下に揺らしながら笑っていた。

私は恥ずかしくなり、部長の手を離そうとした。

しかしさらにギュっと握られてしまう。


「うそ、冗談。
そんな緊張しなくていいんだよ。
気楽に考えたらいいんだよ。」


部長は軽く考えているのか、相変わらず冷静な様子だったが、私の心臓は暴れていた。






















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