わたしの中の 私
フロアまで一緒に平気で行こうとする部長を降りきり、なんとか一人でフロアに着いた。

私の顔を見るなり、佐藤主任が小走りで駆け寄ってきた。


「……ちょっと、それ……もしかして……もらったんだ。
結婚するんだ、亮太と。
上手くいったんだね。本当良かったね。安心したよ。
おめでとう。」


周囲に聞こえないように耳元で佐藤主任は話した


「……何で……その事を知っているんですか?」


私は、部長のことを佐藤主任には一切話したことはなかった。

……それなのに、なぜ知っているのかな?


「亮太、前から優葉のこと前から好きだったしね
優葉と付き合っているの、亮太から聞いてたからね。」


「……えっ?
ちょっと待って……。」


「もしかして、亮太、今までちゃんと告白してなかったとか?
あいつ肝心なこと言わないんだよな。」


佐藤主任は、ひとりごとのようにつぶやいていた。



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