君の光になりたくて。
あ…ってか俺、今まで本当に好きな人が

できた事がない……よな。

いや、ほんっとに。ほんとにいねー。

付き合った事は2回あるけど、ただ相手

から告ってきたから言い方わりぃーけど

成り行きで付き合ったって感じだし。

…俺、結婚できるかな。こんな俺でも

本気に好きになれる子ができるんだろう

かと不安に感じる…。

そう深く恋愛について考えてたらいつの

まにか曲が終わってた。

次は何聞こっかなー。

そう考えてると、いきなり電車がガタン

と揺れて俺の足元に一冊の本が転がって

きた。俺は迷わずその本を手にとる。

「…あ‼すいません…。それ、私の本

です。」

電車が揺れている中、足元をふらつかせ

ながら俺の向かいの席に座ってたので

あろう人が俺の前に立った。

「あ、はい。どう…………」

俺は、本の持ち主である人……

たぶん俺と同じくらいの年の女の子と目

が合って、何か胸がドキッというのを感

じた。な、なんだ?この音。

大きな二重まぶたの瞳、筋の通った鼻、

桜色でふっくらした唇、ブラウンの肩ま

である髪を先の方だけ巻いてあって前髪

はパッツンに切られてある。



いや、こんな気持ち俺知らねーよ

。妹のもってた少女漫画とかで、運命の

人に出会うと何か特別な今まで味わった

事のない胸の高鳴りがするなんて書いて

あった。でも、そんなのありえねー。

いかにも少女漫画っぽい。馬鹿らしい。

なんて思ってた。

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