君の光になりたくて。
「そーなんですか!

なんだか楽しみですね。ふふっ。」

口元を緩ませて大きな目を細めて笑う

君。…ほんとにこれからが楽しみだ。

「あ!あの…晴君って読んでも言いです

か?」

「はい。もちろんですよ!むしろそうし

て下さい。あ、…あの俺は…。」

「あ、杏って読んでください。」

「あ、はい。わかりました。」

「ふふっ。なんか嬉しいです。

どきどきしますね。」

「ですね。よろしくです。」

それから学校までの道のりのあいだ、

二人でいろいろな話をした。

好きなアーティストの話をして、まさか

の二人とも同じミュージシャンが好きだ

った事とか、お互い、和食派だったこと

とか、動物だったら、犬が一番だよなっ

てこととか、どうでもいい話でいっぱい

になってしまったけど、お互いの心が

少しでも打ち解けあえた気がする。

だって、二人とも、笑いが耐えなかった

から。

だから、学校につくのなんてあっという

間だった。

…まだ話したい事いっぱいあったのに。

仕方なく電車をおりて学校の門まで歩い

た。こんなに学校への道が早く感じたの

は初めてだ。

男子高が北側が入り口で女子高は南側が

入り口だから、この別れ道でお別れ。

「なんか、いろいろとありがとうござい

ました。とっても楽しかったです!

また……会いたいです。」

「俺も…俺もです!

明日からの電車でも会いたいです。」



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