"Another time"
そこには
いっぱいの管がつけられ
苦しそうに目をつむる君がいた。
真は悪性の腫瘍ができていたという。
気づいたときには手遅れで。
余命といわれていた
3ヶ月がちょうどたとうとしていたんだ
嘘みたいだった。
君は今にも起き上がって
私をみて笑ってくれそうなのに。
こんなに泣きそうになっている君は
君らしくないよ。
「起きて!起きて!真っ!!起きて!」
苦しそうだった君は
ゆっくりと目を開けた。
「さ...き?来て...くれた...んだ」
そういって笑った。
もうその笑顔に元気はなかった。
なんで君はこんなになるまで
私にいわなかったのだろう。
こんなに一人で苦しんでいたのだろう。
なんで私は気づいて
あげられなかったんだろう。
もっと早くきづいていれば。
「さき...お願い...きいて...くれる?」
頷くことしかできなかった。
「咲とね...手...繋ぎた...い」
力がぬけた君の手を握った。
君にはもう握り返す力もなかった。
それでもあたたかかった。
「咲...ありがとう。」
ただただ悲しすぎて、
受け入れることができなくて。
泣いたら
君は本当に
逝ってしまうんじゃないかって
ただただ君にすがりついた。