彼の事が好きすぎる私。
「あのっ……先輩っ」
「はい、とれたよ」
髪をさらっと離す。
それが何故か心細く思う。
そんな事を思っていると再び亮の手が花梨の髪に触れる。
「……花梨の髪いい香りする……」
一束髪を取り口付ける。
「ーっ。そ、それはさっきのソースとかじゃ……」
「違う、もっといい香り……」
髪に顔を近づけ亮はもう一束髪を取る。
そしてちゅっと口付ける。
「先輩……」
「花梨……」
どちらかがともなく唇が重なっていた。
短くて甘いキス。
夢のような時間だった。
唇を離し見つめあっているとお昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
「行こっか……」
「はい……」
そして2人は何も話さず教室へ戻っていった。