彼の事が好きすぎる私。
時間はもう7時を回る頃だった。
駅前を歩いているとある人を見つける。
「あ、先輩」
そこには亮がいた。
部活帰りなのか肩には重そうな器具が入ってる鞄をかけている。
思わず声をかけようとした時だった。
足を止めた。
時が止まった。
亮の隣にいたのは知らない女の人だった。
しかも腕にまとわりつき、胸をあてている。
それを亮は追い払わない。
「……なにこれー」
2人はどんどん歩いていき花梨はそれについていった。
道は暗くなっていきあやしい裏通りへと入っていく。
ネオンの光が眩しい。
通りの店の前に立っている女の人の服は薄く胸元が大きく開いている。
ここって……
亮たちが入っていったのはあるホテル。そう、ラブホテルだ。
「っっーー」
信じられなかった。
嘘だと思いたかった。
夢だと思いたかった。
告白された時と同じように頬をつねってみる。
痛いー。
夢、じゃないのだ。
現実ー。
花梨の目から大粒の涙が溢れてくる。
そして花梨は走り出した。
一刻も早くここから抜け出したくて。
きっと明日起きたら全て夢だったって思えるんだろう。
全てを忘れたかったー。