彼の事が好きすぎる私。
「何それ!」
花梨たちは場所を変え、多目的教室の中で話していた。
「花梨、それ本当?幻覚とかじゃなくて……」
「うん、本当。うちの学校の野球部の鞄持ってたし……」
「嘘……」
「嘘って思うのはこっちだよ……なんで先輩……」
花梨は今にも泣きそうだった。
「こうなったら先輩に聞こう。私ついていってもいいし。ね、だから聞こう」
「うん……」
最後に亜果利は花梨をぎゅっと抱き締めた。
花梨とはかれこれ10年以上の付き合いで腐れ縁だ。ずっと同じクラスだった。しかも家も近所だ。
だから花梨のためならどんなことでも力になりたかった。なぜなら花梨が大好きな親友だから。