彼の事が好きすぎる私。
午後の授業が終わり亮は部活へ向かっていた。
お昼から花梨に会っていなかった。
まぁ、大丈夫だろう。
そう思い部室に向かっているとそこに1人の女性が立っている。
「……香苗か」
「はろー亮ちゃん。来ちゃった」
「違う学校の部外者がよくここまでこれたな」
「あんな警備員ちょろいわよ。ちょっとお願いしたら鼻の下伸ばしてすぐ通してくれたわ」
香苗は亮に歩みより首に手を回した。
「ねぇ亮ちゃん……私たち、より戻さない?昨日の事もあったんだし……」
「戻す気なんてない。まず関係も持っていない。さっさと出てけ」
「まっ、意地悪な亮ちゃん。まぁそんな所が好きなんだけどね」
するっと香苗は亮の首から手を離し何歩か下がった後にっと笑った。
「……井上花梨ちゃんだっけ?今の彼女。あの子にイタズラしちゃおっかなぁー。せっかく亮ちゃんが大事大事してる彼女だし」
「やめろよ。花梨は無関係だ。あれはお前を避ける為に一時的に置いている仮の彼女なんだよ」
「……それ本当?」
亮が振り向くとそこには花梨と亜果利が信じられないというような目で見ていた。