彼の事が好きすぎる私。
時は10分前にさかのぼる。
花梨と亜果利は亮に問いただすために部活に行くだろうと部室に向かっていた。
「花梨!あれ!小湊先輩!」
見つけるとそこには昨日の夜みた女性がいた。
思わず立ち止まる。
「な……なんで……」
「花梨?」
亜果利も見つけると花梨が立ち止まった理由がわかった。
「あれか……!」
亜果利は無理矢理花梨の手を取り引っ張る。
「絶対一発殴ってやる」
亜果利はそう言った。
こうして亜果利が花梨を引きずりながら来ている所を香苗が見つけた。
そして花梨の話題を出したのだ。
亮の声が花梨の耳に入るような絶妙なタイミングで。
「花梨は無関係だ。あれはお前を避けるために置いている仮の彼女なんだよ」
「……それ本当?」
亮が振り向く瞬間ー
花梨の目からは大粒の涙が溢れていた。
香苗はこっそりと笑い心の中で勝ち誇る。