彼の事が好きすぎる私。
そしてどんどん花梨に惹かれていったのかもしれない。
そんな事をグルグル考えていると1つの影が亮の側にたつ。
「亮大丈夫かよ」
「光か、あぁ多分な」
「大丈夫そうな感じしねぇけど」
亮と同じ歳で野球部副部長の長谷川光は練習に来ない亮の様子を見てくる為に来たそうだ。
「練習出来るか?」
「あぁ……」
「やりたい事があるならさっさとやってこいよ。今の所部に支障はないし、お前優秀だし。モノっていうのは簡単に捨てたり失ったりすることは出来るけど、掴んだり戻したりすることはすげぇ難しいんだぜ」
光の言葉が胸に刺さる。
「さっき聞いた噂によればお前のカノジョ泣いてるらしいな。3階の多目的教室の所にお友達といるそうだとよ」
いったいどこで聞いた噂なのか。
でも今はそんな事は関係ない。
「ありがとう光。俺行ってくるわ」
「ん。成功したら今度昼飯奢ってくれ」
「りょーかい」
手を振り亮は3階へと走っていった。