彼の事が好きすぎる私。
うそだ、うそだ、うそだ……。
先輩が私の事を元カノを避けるためだけの仮の彼女だったなんてー。
信じられない。
いつまでたっても涙は止まらず大粒のままだった。
亜果利はしばらく落ち着くまでと、人気のない3階の多目的教室に花梨を連れていき1人にしておいた。
「先輩っ……」
がらっといきなり扉が開く。
亜果利が戻ってきたのだろうと思ったら抱き締められた。
「……見つけた」
「小湊……先輩?」
亮の息はきれている。