彼の事が好きすぎる私。

直感的に迷子だと亮は思いするっとお母さんの手から抜け人混みを掻き分け女の子の側に行った。

「大丈夫?」

女の子は泣いてばかりいる。

「迷子?」

聞いても答えない。

「俺がお母さん探してやるよ」

無理矢理女の子の手を握り歩き出す。

とろとろと歩く女の子に何個か質問をぶつけた。

しかし女の子が答えたのは名前だけだった。

「……井上花梨」

「花梨ちゃんか。俺は小湊亮って言うんだ」

人混みは更に増え2人は飲み込まれてしまう。

どうしよう……。

そう途方に暮れているとあることを思い出す。

それは母の言葉だった。
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