私立黒川高等学校
在校生の場合
並木辰史
ファーストフードに若者がたむろう中、2人の少年がいた
年は17ぐらいの、髪を金に染めた男の茶にそめた男
金髪の男は携帯から目を離すと、テーブル越しに座る黒髪の男に話しかけた
「ねー辰史ぃー」
「女紹介してーとかもういいでね」
「よーわかっとるが、俺に女を紹介してください」
この男、倉木秋人に何度知人を紹介したことだろう
紹介したあげく、付き合っても一月経ったとこをみたことがあるだろうか
少なくとも辰史が女を紹介したところ長続きした女など1人もいなかった
「お前に紹介したってキリねーわ、自分で探せじぶんで」
「おいーそんな生まれたての子鹿のようなぴすぴす震える秋人君に女紹介せんでなにを紹介するって言うんですかい、豚か?鳥か?河童か?ええ?」
「なんで俺が仲介人前提になってるわけ、しかもその例えはなにを基準にしとんのですか」
「知らぬ」
なんだってこいつは続かないくせに
女を欲しがる
そもそも女なんて自分になんのメリットもないじゃないか
このご時世、金なし足なし車なしのフリーター風情がモテることなど稀にない
加えて秋人のような今時のチャラ男のようななりをしていれば6割型そなへんの女にはモテるが
いかんせん辰史はそこそこな中の中だ
誰もが認める平凡顔だと自負している
ただお兄さん気質な辰史の周りには
何故か女が絶えない
女といえどそれは、異性としてではなく、兄妹のような、悪友のような、なんとも表しようのない関係の女がごろごろと集まってくる
辰史の女遊びなど縁のない外見や、女を異性としてみてない分、同性と過ごすような穏やかな時間を過ごせる貴重な人材として集まってきたりするのだろうか
「仮にそうだとしても俺、来るもの拒ずだしなー」
反応が無くなった辰史に飽き、挫けずに携帯で女探しをしていた秋人が目をギラつかせてこちらを勢い良く見た
「えなにたっちゃんワンナイトラブ派?やべーが、たっちゃんそれ俺よりたちわるー」
お前と一緒すんなたわけが
否定するのすらめんどくさいわ