当て馬ならし
黒い髪は、陽の光にすけて青く輝く
眼鏡をかけた閑静な顔だちが
今は苛立たしげに
眉間に皺が寄っている

切れ長の目に・・・
黒い瞳・・・
透けるような白い肌に・・・
形の良い唇・・・?
どことなく
王妃様に似ていて・・・???

あれ?
おや??
見たことあるっていうか・・・・

まるで想像もしなかった
出来事に私の脳はパニックになった。

昨夜の司書じゃないの?!
え?でもさっきハトナが
王子って??

目の前を通り過ぎようとしている彼に

「ラル王子なんですか?」

と驚いた私は、無防備に声をかけた・・・
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