当て馬ならし
ベンチに座りながら
怒りが次から次から
吹き出てきて収まらない。

大声で叫びたいけど・・・
ここはあくまで他国の王宮だ

ただひたすら拳を握って
耐えるしかない。

そうしてると
行き先が決まったのか
ハトナがそばに寄ってきてくれた。
「クラァス様・・・
 どうされました?
 お顔の色がすぐれませんが?」
私の変化にいち早く気付いてくれる。
ハトナはよいメイドさんだな。
若いメイドさんも心配そうに覗きこむ。
そんな二人の優しさに
癒されてなんとか
平静を保つことができた。
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