当て馬ならし
トラブル・・・そう考えた時、
あの真夜中のような色の瞳が浮かんだ。

ハトナが第二王子と呼んだあいつだ。

『必死だな』
冷たい声が蘇る。

必死よ!
もう8か国目、
そして3年目に入ったわ
こんな状態で
焦らないわけがないでしょ?

16歳から私はお見合いをしてきたの。
18歳になったけど・・・
変に経験ばかり積んでるくせに
失恋ばかりで・・・
おかげで私はまだ・・・
そう、まだ・・・

処女よ!!!!!

うわーん、
別にヴァージンロードを
名実ともヴァージンで!
って思ってないわよ!
だけど、そうなっちゃったんだから
・・・仕方ない・・・

いや、別にその処女だから
あせってるとかじゃなくてね?

って、誰に対してなんの
弁解をしてるんだ?
とはたと気が付く・・・
アイツのせいだ!!!
むかつく!!!
思い出しただけで怒りが湧いてくる!

違う!違う、
今はあんな無礼な奴の事などどうでもいい
アル王子の手紙の事を
かんがえなきゃいけないのよ。

と、少し頭が冷えた時
ポツリと頬に水滴を感じた
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