当て馬ならし
鼻の奥がツーンと痺れる・・・
突然向けられる敵意は
今までにもあった。

嫉妬や八つ当たり、
身構えていれば
なんとか切り抜けられる。

そうやって生きてきたんだ。

でも・・・まさか
こんなに直接的に
不意打ちでくらう事になるとは・・・
きっといつもの私なら
『ごめんあそばせぇ』とかいって
優雅に切り抜けているはずだ。

なのに、この男はいつも
不意を衝いてくる!

耐えられなくなって
彼の腰を両手で突き飛ばす
彼にとっては不意打ちだったのだろう
すこしよろけて数歩下がる

その隙を狙って雨の中飛び出す

一目散に走りだす
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