当て馬ならし
それは、今まで
目の前の男に言いたくて
言えなかった思い。

言い訳だって思われたって構わない。
でも・・・もう黙ってられなかった

一方的に傷つけられる
なんて柄じゃないし、
ちょっとは人の痛みも
考えてみなさいよ!!
アル王子の弟なら
優しさと抱擁力のある
お兄ちゃんをみならえってんだ!!!

無機質な眼鏡のレンズ越しに、
細められた夜の闇のような瞳がある。
睨みつけて一歩も引かない私

ここまで来たら開き直る

なのに、あいつはそんな私を鼻で笑って
「いや、ここであった時の格好の話」
そう、さらりと言ってのけた
え?ここで?って
最初の日の・・・
あの侍女スタイルのこと?
「あれが私だって解ってたの?」
「いや、気が付いたのは晩餐会
 ・・・の途中」
もう私が逃げないとふんだのか、
そういいながらローブを脱ぎ
椅子に座る。
無造作にローブを机の上に投げ出す。
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