当て馬ならし
そして、すこし時間があったので
勝った私への商品と言い分けながら
兵士たちが
無駄にアル王子の弱点?
のようなものを教えてくれる。

「首筋がグッとくるらしいです」
昨日から参戦した兵士が
真面目な顔で言った
「そっか、じゃぁ練習の時も
髪はアップにしていくわ、ふふ」
そう笑うと、身軽な兵士が
「でもたしか、
 太ももも好きでしたよね王子は」
そうすると、いや胸だとか、
二の腕のこう柔らかいのが・・・
とか部分的なフェチ情報が
飛び交うが
「それはお前の趣味だろう?」とか
「それは、別人の嗜好だ」と
どれも不確定な情報で
収集がつかなくなった。

「ありがとう、今後の参考にさせてね」
笑いが止まらない。

すると、初日から来てくれてる
熟練の兵士が
「玉ねぎが子供のころ
 食べられないとおしゃってましたよ」
すると兵士がわいて
「そうそう、兄弟そろって
 玉ねぎ苦手だったみたいですね」
「ただ、王たる者食べ物を粗末にするなって
 王に叱られてから
 無理に食べて克服されて」
たぶん小さいころの王子たちを
知っている二人が懐かしそうに語る

それを楽しそうに聞く
私と残りの二人
あぁ、こういう事からも
王族に対する信愛が感じられる。
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