当て馬ならし
これを皮切りに、
道すがら声をかけてくる
民達に笑顔で答える。

帰ってきさえすれば
私を傷つける人なんてない

先の国の王宮と比べたら
それはそれは、
小さな小さな我が城が見えてくる。

私はその素朴なたたずまいが
大好きだ
農繁期にはよく城のものを連れて
農家の手伝いに出る
民が気軽に王族に声をかけてくる、
そんな国ファルゴア
そういった習慣日常であるのは
この国だからなのだという事は、
よくよく教育係のルミナーテに
言われたものだった。

馬車は城内にはいっていく
出迎えてくれたのは、
最低限のメイドと騎士だった。
歓迎できない帰郷だというのは
すでにみんなの知りえることなのだ。

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