当て馬ならし
ある一定時間おどったら、
交代して次のパートナーに王子を渡す。

その間、フロアーには王子と
それを囲む私たち花嫁しかおらず
その趣向を賓客たちは
遠巻きに楽しむという事みたいだ。

いつ順番がまわってくるか分からないし
一応ある程度ここで交代かな
というタイミングはあるけど

なにより振りが入らなければ
そんなタイミングを
見る余裕なんてない

基本のワルツは踊れるけど、
それも綺麗に見せながら
振り付けもして・・・

ショウとしての催しでもあるんだから、
ちゃんとしないとね
そうは思うのだけれど・・・

本当に今日は、
ただただ一生懸命なままで
終わってしまった。

そんな必死な私に、
目じりに皺をよせて
にっこりしてくれるアル王子

緊張している私を
しっかり支えてくれる王子に
『玉ねぎ』なんて滅相もなかった。
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