当て馬ならし
風車は思ったよりも大きな建物だった。
中には大きな球場のガラスの器が
金色の台座にのっている。

その周りを色とりどりの魔方陣が展開して
まばゆい光が辺りを照らす。

その器は人が縦に3人も入る大きさだった。
見上げていると講師役の役人が教えてくれる
「こちらがエンチャントスフィア
 と呼ばれるもので、
 独自の魔術フィールドを展開して
 その中で実験などを行っております」

数人のローブを着た魔術師が
杖や魔方陣を使って
スフィア内のモノを動かしているようだ。

とても幻想的で綺麗だけど・・・
知識のない私達には
よくわからなかった。

まだ発展途上の研究という事で、
研究所の内部はほのぼのとしている。
しばらく、その様をみてから、
今度は水薬の製造過程をみる。

可愛らしい小瓶を作っている作業場には
風車の動力を使った工夫がしてあったり、
中に入れる液体の研究をしている場所で
飲み物の試飲をしたり
真剣に取り組む職人さんや
研究員の人に尊敬の念を覚える。

農業が中心なフォルゴアでは
見られない光景も見られて
とても楽しかった。
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