当て馬ならし
良い時間になったので帰ろうとすると
このあたりの子供だろうか、
8人の小さな女の子が
一人ひとり花束を持っていた。

私たちに歓送の花束を
贈呈してくれるという。
それぞれ綺麗なミニブーケを持っている。

他国の姫で、将来の王妃様かもしれない
という事で女の子たちは
緊張と憧れの目で私たちを見る。

役人に促されて私たちに歩み寄り
花束を渡す。
受け取った姫も
笑顔を子供たちに返している。

私にお花を渡そうとしていた女の子は
この8人の中で一番小さく
ものすごく固くなっているのが分かった。

今日の為に両親が用意たであろう
可愛いピンクのドレス
まだ産毛かなと思えるほどの
柔らかそうなブラウンの髪を
小さなお団子二つにして
そこに小さなお花のピンを付けていた。
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