当て馬ならし
「魔術って私、
 あんまり見た事なかったんだけど
 あんなにいろんな色の
 魔方陣があるんだね」
本の中で魔方陣を見たことはあった、
考えてみたらファルゴアの魔術師は
魔方陣を使っているのを見たことなかった。

だから色があんなにあったなんて
分からなかった。
「術者の特性から色が決まるから、
 人によって違う」
「あなたは、青よね?」
そういうと、ラル王子は
指先を机の上で
ゆっくりと小さく回した
するとふわふわと青く発光する球体が
一つ机から出てきた

「これがマナ」
その青いマナを手のひらで包む
それをまた机の上に押し付け
小さく呪文をゆっくり唱えた

呪文は、魔術式という
独特の発声をし、
魔術適正がないと発音さえできない。
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