当て馬ならし
押し付けられた机の上に
小さな青い魔方陣が現れ
そこから、親指サイズの
小さな氷のパペットが現れる

「マナの量で使える魔術はきまる、
 一つだったらこんな感じ」
パペットは机の上をテトテト
歩いてこちらにやってくる
楽しくなって
顔を近づけてみると
その冷たい棒の手で
私の鼻をちょんっと触る
かわいい♪
私もそのパペットを
ちょんっとつつくと

-パシュンッ
氷が小さくはじけて
パペットは霧消した
うえぇーーーーー!!!
驚いて口を開けたまま固まる
「ククク・・・眉間の皺・・・」
ラル王子は小さく肩を揺らしながら
笑っている。
はっとして眉間をこすりながら、
楽しそうに笑うラル王子を見つめる

楽しくて笑う事もあったねぇ、この人
そんな当たり前の事を思った。
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