当て馬ならし
格式や敷居は特に重んじられない
王家として必要なのは
この土地を守る事

民がいて王家がある
だから、この国は平和なのである

ただし、一歩この国を出れば
それではすまない
王族として外交に支障をきたさない
教育は常にされていた。

他国に出向くようになって
あのときの厳しい教育係ルミナーテに感謝した。

そして、よく勉強を抜け出して
剣術の稽古へ言った事や
教科書をくりぬいて
蛇を仕込んだことを謝った。

ルミナーテは年老いてなお
鋭い眼光で
「姫!まだまだ学ばれることは
 あるのですよ」
といって見合い先の国の文献を
出してくる。
彼女にはその文献にのっているものを
その国で手に入れて帰るのが
私の一つの楽しみでもある。

本当は、よい知らせと共に
報告出来たらといつも思う。
だけど、彼女の変わらない厳しさが
そんな辛気臭い気持ちを
いつも払ってくれるのだった。

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