当て馬ならし
「動かしてないと鈍るのよね・・・
 魔術は稽古ってあるの?」
素振りをしながら
普通に思ったことを質問する
「稽古?・・呪文なら
 一度覚えたら忘れないし・・・」
うお・・・天才は違うな
「体は鍛えないの?」
すると彼は
「鍛えてるように見えないってこと?」
と聞いてふらり立ち上がる
なんとなく、
言葉尻にいつもより熱が入ってる気がする
正直、アル王子と比べて細いし・・・
そんな事を考えて
「魔術って筋肉使わなそうだし・・・」
「ほうぉ」
あれ?ちょっと怒らしたかな?
でも、真実でしょうに
・・・なんておもっていたら
彼の腰のあたりに魔方陣が展開した
青い光を発して
揺らめくそれに彼は左手をあてがい
まるで刀を鞘から抜くように
手を動かす

すると一瞬まばゆい光を放ち
魔方陣が消えて
彼の手に一振りの剣が残った。
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