当て馬ならし
さっきまで眠そうだった瞳は
いまは青い光を湛え
冷たく熱く輝いている。

なるほど・・・腕比べ?
女に、その体格を馬鹿にされて
黙っていられないってわけか・・・
でも、私だって
ひょろひょろの学者王子に
負けるわけにいかない。
にやりと笑ってその意を受ける

そして互いに剣を構える
空気が止まった

構えたその剣に隙はない
体も揺るがず心も静かだ・・・
緊張が走る・・・
どちらが仕掛けるのか?
とそこに・・・

――ゴーンゴーン

城下町の教会だろうか
時を告げる鐘がなる
私は、その意味をおもいだして叫ぶ
「わぁ!朝食会!!」
そうだ、もう一時間たってしまった
そろそろ戻って用意しないと
朝食会に間に合わない
今日は、アル王子の近くの席に
座れる大事な日なんだから!
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