当て馬ならし
その際、今日の顛末を
ハトナに話したところ
「ラル様は御強いですよ?
 アル様には確かに及びませんが
 近衛兵の隊長クラスとは
 五分の戦いをされて
 いらいらっしゃいますよ?」
ときいて「え?」という声が
喉に詰まって「げ?」っと鳴った
「稽古してるの?」と素朴な疑問をいうと
するとハトナは
「クラァス様とは正反対で
 夜稽古されてるかと、
 魔術が制限された時の事も
 考えて最低限の事は
 されてらっしゃいますよ」
夜稽古かだから兵士とも仲がいいのか・・・
自国の兵士と懇意なのは、
まーそんなの当たり前だけどさぁ
あぁ、自分が彼を
完全に見くびってしまっていたことを
反省する。

彼がわたしの格好見て
「挑発してるのか?」と見下したように
学者だから「鍛えてない」という
レッテルを張ってしまっていたことに
気が付いて申し訳なくなる。

今度顔を合わすことがあったら
無礼を謝ろう
そう思った。
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