当て馬ならし
今朝は、アル王子からは
離れた席だったからよかった。

「あら、どうされたの?
 ずいぶんと締まりのない顔なさって」
はい、きました
ツインテールちゃんのイヤミ。
きっちり鼻で笑っていらっしゃる。
「今日のダンスの振りを
 遅くまで確認してましたの。
 それで、眠れなくて」
にっこり
まるで絵にかいたような
微笑みで返す。
書いたように
張り付いた笑顔だろう・・・
「あらー、それは大変ね。
 アル王子にお怪我をさせるような事
 しないでね!」
たしか明日の午前中は
彼女だったわね。
そんなこと言われなくても
大丈夫・・・でも、
あなたのお蔭で冷静に思考を回す方法
を思い出したわ。

今日はこれで行くしかない。
感情を殺して、
とにかく余計な事を考えない・・・

そう思うのに・・・
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