当て馬ならし
その情報を元に酔っぱらった態で、
魔術師塔あたりまで歩く

上機嫌に歩いていれば
見張りの兵士も咎めない。

この時間に姫たちは
自由に歩き回ってよいと
されているからだ。

とりあえず、魔術師塔の裏に
さらに建物があってこれが
魔術師たちの住まいなのだ
という事がわかる・・・

とそこに・・・
ジフェルが他の魔術師と共に歩いてくる。

物陰にとっさに隠れ
様子をうかがう

二人は軽い挨拶を交わし、
一人は塔の中へ
ジフェルはこちらの建物に
向かって歩いてきている。

その呟きは、夜の闇にまぎれて
この小さな空間を悪意でみたした

「もうすぐだ・・・私が王になる・・・ふふふ」

底冷えのする笑い声
中世的な声は甲高く歪み・・・
誰にかけるともない
ひとりごちが耳の中に這ってくる

誰もいないとおもって
囁かれた言葉が、
私の中の不確かだった部分を
確信へと変えた。
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