当て馬ならし
充分に時間を置き物陰から出て、
きた道を目立たないようにひきかえし
魔術師塔の前まで来た時だった。
周囲に溶けるようなローブが
私の進路をふさぐ
見上げるとそこに、
猜疑の冷たい眼差しが
眼鏡のレンズ越しに降ってきた。
「こそこそと、何をしていた?」
いつもよりさらに低く響く声
夜をまとったこの国の第二王子
・・・ラル王子・・・
その一言で、
ここでの私の行動が
見られていたことが解った。
もしかして・・・
私を追ってきていたのだろうか?
だったらあの呟きを
きていないのだろうか!
はやる気持ちが駆け引きをする
冷静さを失わせる
「ジフェルの呟き、聞こえた?!」
その発言は彼の表情を
より険しいものにした。
「貴方にうちの宮廷魔術師を
呼び捨てにされる覚えはない」
きた道を目立たないようにひきかえし
魔術師塔の前まで来た時だった。
周囲に溶けるようなローブが
私の進路をふさぐ
見上げるとそこに、
猜疑の冷たい眼差しが
眼鏡のレンズ越しに降ってきた。
「こそこそと、何をしていた?」
いつもよりさらに低く響く声
夜をまとったこの国の第二王子
・・・ラル王子・・・
その一言で、
ここでの私の行動が
見られていたことが解った。
もしかして・・・
私を追ってきていたのだろうか?
だったらあの呟きを
きていないのだろうか!
はやる気持ちが駆け引きをする
冷静さを失わせる
「ジフェルの呟き、聞こえた?!」
その発言は彼の表情を
より険しいものにした。
「貴方にうちの宮廷魔術師を
呼び捨てにされる覚えはない」