当て馬ならし
とりあえず、
彼の向かった方へ行ってみる。

植え込みや木々が
規則正しく配置された道を
城壁へ向かって歩いていく

ここはこの区画の
憩いの場のようになっていて
木陰にベンチが配置されていたり
小さな噴水があったりと
こじんまりとしながらも
一息つける空間になっている

ただ、城壁の脇なので
景色はよくない

人もあまり来ない様で
警備の兵士などは見当たらない

そんな中を紫ローブが進んでいく

城壁に彼が手を触れたのが見えて
辺りを確認するように
彼は左右を見た
振り返る気配がして
あわててて柱に身を隠した。

数秒をおいて
見つからないように
彼のいた場所を伺うと

・・・忽然と彼は消えていた。
・・・・・空間移動・・・?

ただ、ジフェルは
魔術の能力は低いと言っていた・・・
空間移動が出来るほどの
魔力がある魔術師は
この城にラル王子だけだと
聞いている。

でも・・・彼は
一瞬でいなくなっていた・・・
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