当て馬ならし
ここから外に出る裏門は、
私が全速力で走っても
数分はかかる。

魔術でもない限り
いけるわけないのに・・・
「今夜で引き揚げてもらって結構だ。
 次はこの国を手にしたら連絡する」
「ぐへへ、たのむぜ旦那」
あからさまにがらの悪い声が聞こえた。
声の位置からして大男だろう。
「森の連中にも伝えろ
 ここは危険だからしばらく近づくなと」
「ひひひ、重々承知でさぁ」
そう言って去っていく大きな足音
その足音が十分離れたっから
「貴様らの命もあとわずかだ」
という呟きが聞こえる

そして、目の前の壁が歪みだした。

慌てて近くの植え込みに
姿を隠す

するとその歪んだ壁から
ジフェルが音もなく現れたのだ。
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